研修報告

平成25年度 経営協青年部会 第二回研修会

【日時】平成25年10月9日(水)
【場所】京葉銀行文化プラザ
【講師】インバスケット研究所インバスケット・コンサルタント 山口 和久 氏
【参加人数】42名

【研修の概要】

13:00~13:30「オリエンテーション」
・・・スライドを使って、”インバスケット思考”について解説
13:30~14:30「インバスケット演習」
・・・私語禁止で1時間集中して演習に取り組む
14:40~17:00「グループワーク・発表・解説・まとめ」
・・・各班でグループワーク。自分たちの班の優先順位を設定。
・・・各班の発表をもとに、解説。まとめ。

【受講した感想】

 インバスケットとは、架空の人物になりきり、制限時間の中でより多くの案件を高い精度で処理をすることを目標としたゲームのことである。

 今回は、とある洋菓子店の店長に23歳の若さで大抜擢された「青山みあ」になりきり、翌日の海外研修を前に、60分という時間制限のなか、未知の20案件を処理しなくてはならない、という内容であった。
 20案件の中身は、メールで備品の発注締切の連絡があったり、スタッフの連絡ノートの中で部署間の揉め事が起こっていたり、スタッフの親から手紙が届いていたり、「お客様からの声カード」にクレームが書かれていたりと様々。

 実際に演習を始めると、参加者の皆さんは黙々と取り組み、室内ではペンが進む音しか聞こえず、あっという間の1時間であった。

 試験が終了し、グループワークで各自の意見を出し合い、各グループの優先順位を決定した。
 グループ内での論議は自分と違う考えを持っている方と意見交換ができ、非常に刺激的だった。
 また、各グループで優先順位が微妙に異なったことも非常に興味深かった。

 各グループから提示された上位3件をもとに、解説に入り、以下のようなことを教えていただいた。
 案件の内容を、緊急度=時間軸、重要度=影響度という指標に置き換えて、マトリックスにする。
 すると、A(緊急度高、重要度高)、B(緊急度低、重要度高)、C(緊急度高、重要度低)、D(緊急度低、重要度低)に分けることが出来る。
 今回のインバスケットで取り組んだ20の案件についても、A、B、C、Dに分けられ、模範解答の1~3位は、Aに分別された3件であった。

 パレートの法則(「構成要素を、大きい順に並べた場合、上位の一部の要素が全体の大部分を左右する。」)に則ると、重要度な仕事上位20%を処理してしまえば、下位80%の仕事は乱暴に言えばやらなくても良い、となる。

 A(緊急度高、重要度高)を優先的に処理するのは当たり前だが、本質的な問題は、B(緊急度低、重要度高)に隠れている。管理者・経営者は本来Bを優先的に処理すべきである。と教えていただいた。
 また、Cの仕事は放っておいてもAには移動しないが、Bの仕事は放っておくとAに移動するとも教わった。
 現場では、仕事の締切に翻弄されて、さして重要でもないC(緊急度高、重要度低)を優先してしまっており、B(緊急度低、重要度高)を処理せずいつのまにかA(緊急度高、重要度高)を生産している自分に気づかされた。

 見える問題(緊急度の高い案件)よりも、見えない問題(緊急度が低いが重要度が高い案件)に本質的な問題が隠れている場合が多いとのこと。その問題をクリアすれば、CやDの問題が解決してしまうというように。

 目に見える情報はすべて有効な情報と思ってしまっていたが、目に見える情報の中で、使える情報はどれなのか、その真意はなんなのか、情報判断能力の精度を上げるべきだと思った。

 最後に、各自この講習を受講し、今後どのような目標をもって行動していくか、行動目標設定を行って終了となった。

非常に論理的な説明で納得感があり私としては満足度はとても高かった。参加した皆さんの今後の業務にきっと活きてくる内容の研修会であったと思う。