研修報告

平成22年度 千葉県社会福祉法人経営者協議会の総会
第1回経営者セミナー 報告

平成22年6月7日(月)千葉県社会福祉法人経営者協議会の総会に引き続き、第1回経営者セミナーが開催されました。

セミナーでは、株式会社エイデル研究所 代表取締役所長の宮崎民雄様を講師に招き、これからの福祉人材マネジメント ~キャリアパスの構築と職員処遇の見直し~というテーマでお話を頂きました。

概要は以下の通りです。

Ⅰ.福祉人材マネジメントをめぐる状況と課題

 制度改革等に伴う様々な状況変化の中で、福祉人材市場の逼迫・地盤沈下、すなわち労働と処遇のミスマッチが起こっている。
 制度ビジネスの中においては、その担い手たる職員の確保・定着・育成が事業経営の要である。
 したがって、「入り口は志、出口は将来不安」と言われる福祉職場において、業界としての課題把握にとどまらず、各法人が個別に課題を把握し、中長期的視点に立って戦略的施策推進することが求められる。

Ⅱ.個別法人における人事管理施策・制度の見直し

 各法人が、職員配置、退職者の状況、ミドルリーダーの処遇と育成、職員へのポジティブフィードバック(非金銭的報酬)を用いたチームワークの構築、人件費比率等の現状と推移等を問題として認識する。
 問題解決法の一つとして、評価システム、育成・活用システム、処遇システムの3つを核としたシステム構築、運用、施策を行う「人材管理システムの見直し」がある。  また、人材管理システムの一部であるキャリアパスについては、厚生労働省の示した要件を満たすこと、更には専門職コースを用意するなど職員にとって選択肢のあるキャリアパスを作ることが望ましい。
 加えて、介護職員処遇改善交付金については、一時金として支給することのみに使用するのではなく、人材管理システム構築の際の昇給の原資とすることができることに注目し、キャリアパス要件を満たした考課・昇給管理システムを構築する良い機会を得たと考えられる。

Ⅲ.キャリアパスを指向する「E式考課・昇給管理システム」

 人材マネジメントシステムの具体的な例を提案。
 特に、人材育成・キャリアパスの要である職場研修については、OJT、OFF-JT、SDS(自己啓発援助制度)の3つの形態を明確に分類することが大事であり、個人の研修にとどまらずチームで共有していく研修システムを提案したい。